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公務員から転職して後悔する人としない人の違い

後悔の分かれ目は、転職先の良し悪しよりも「自分で選んだ実感があるか」でした。よくある後悔の4つの型、決める前に潰せる4項目、戻る道の確認方法までまとめました。

この記事の要点

  • 後悔の大小を分けるのは、転職先の条件よりも「自分で選んだ実感があるか」
  • よくある後悔は4つの型。逃げるために決めた/収入だけで決めた/人に決めてもらった/比べずに決めた
  • 後悔を減らせるのは決める前だけ。決めたあとに情報を足しても減らない
  • 戻る道(経験者採用・再採用など)を先に確認しておくと、判断そのものが楽になる
  • 「辞めない」を選択肢から外さない。比べたうえで残るのと、比べずに残るのは別のもの

再採用や経験者採用の制度は自治体・府省ごとに異なり、実施しない年もあります。この記事は2026年9月時点の一般的な整理です。制度の有無と条件は、各団体の募集要項でご確認ください。

辞めた人が後悔しているかどうかは、検索でいちばん知りたいことのひとつです。ただ、この問いには「人による」としか答えられません。意味があるのは、どこで分かれるのかのほうです。

このサイトで話を聞いた範囲では、分かれ目は同じところにありました。転職先の年収でも、企業の規模でもありません。

うまくいっても、うまくいかなくても、全部自分で選んだ結果だと思える。

コミュニティの主宰である榊原立城が、独立してよかった理由として挙げた言葉です(インタビュー)。逆に言えば、自分で選んだ実感がないまま動いたときに、後悔は残ります

よくある後悔の、4つの型

① 逃げるために決めた

いまの職場から離れることが目的になっていて、次に何をするかは二の次だった型です。離れた瞬間は楽になりますが、選ぶ基準が「ここではない」だけなので、次の場所でも同じ理由で苦しくなることがあります。

この型の特徴は、転職先を決めた理由を聞かれたときに、前の職場の話しか出てこないことです。面接でも同じことが起きるので、通りにくくもなります。

対処は、体調が悪い状態で決めないこと、休む選択肢を先に検討することです(働きすぎのサインを、自分でどう見分けるか)。

② 収入だけで決めた

「稼げる」「未経験でもできる」という言葉で選んだ型です。榊原も、退職直後に選んだ仕事がこれでした。合わないと分かったときには、向き不向きを確かめる前に大きい金額を先に払っていて、簡単には引き返せない状態でした。

向き不向きを先に確かめておくと、この型は減ります。在職中にできる確かめ方は辞める前に何をしておくかに書きました。

③ 人に決めてもらった

家族、上司、転職の担当者。誰かの意見に沿って決めた型です。うまくいっているうちは問題になりませんが、つまずいたときに「あのとき言われたから」が出てきます。

意見を聞くことと、決めてもらうことは違います。情報は複数から集めて、決めるのは自分、という形にしておくと後悔は小さくなります。

④ 比べずに決めた

ひとつの選択肢しか見ないまま動いた型です。転職と独立を同じものとして考えていた、という人もいます。この2つは、必要な準備も、収入の立ち方も違います。

転職 独立
準備の中心 経験の言い換え、応募書類 続けられる形の見極め、小さく試す
収入 提示額で読める 立ち上がりに時間がかかる
失敗したとき 次の求人を探す 生活費の残り月数がそのまま期限になる

4つの型のうち、自分がどれに近いかは、一人で見ていると分かりません。同じ立場の人や、すでに外に出た人と話すと、決め方の癖が見えてきます。

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後悔を減らせるのは、決める前だけ

後悔は、決めたあとに情報を足しても減りません。減らせるのは決める前です。具体的には、次の4つが埋まっているかどうかで変わります。

確かめること 埋まっていないと起きること
体調が判断できる状態か 離れることが目的になる
辞めたあとの数字 条件だけで焦って決める
自分の経験の言い換え 「何もできない」と思い込む
戻る道があるか 退路がない前提で決めてしまう

「戻る道」は、辞める前に調べておく

4つめについて補足します。自治体や府省によっては、退職者を対象にした採用(経験者採用、再採用制度など)があります。名称も実施の有無も所属によって違うので、辞める前に募集要項を見ておくと、戻れないから頑張るのではなく、戻れるけれど進む、という形にできます

調べるのは3つです。

  • 自分の所属に、経験者採用や再採用の枠があるか
  • 直近数年、実際に実施されているか
  • 年齢や職務経験の条件

「戻る前提で辞める」という話ではありません。退路の有無を知っているかどうかで、決断の重さが変わるという話です。

移った先で最初に戸惑うこと

後悔と混同されやすいのが、移った直後の戸惑いです。これは時間で解決することが多い。

  • 決めるまでの段数が少なく、決定が早い
  • 資料の精度より速さが求められる場面がある
  • 「ちゃんとやっている」が評価にならない場面がある

この3つは、能力の差ではなく習慣の差です。違いの詳細は地方公務員から民間に移ると、何が変わるかにまとめました。

独立の場合につまずく順番は公務員が独立でつまずく、いちばんよくある順番に書いています。

後悔している人の言い方には、共通点がある

話を聞いていると、後悔が残っている人の言葉には型があります。

  • 「あのとき、周りが辞めろと言ったから」
  • 「求人票にそう書いてあったから」
  • 「もう限界だったから、とにかく出た」
  • 「ほかに選べるものがなかったから」

いずれも主語が自分ではありません。逆に、同じように条件が厳しくなった人でも、「自分で決めた」という言い方をする人には後悔が残りにくい。出来事ではなく、決め方が効いているということです。

だから、決める前にやっておくべきことは「いい転職先を見つける」ではなく、自分で決めたと言える材料をそろえることになります。材料は4つ(体調・数字・言い換え・退路)で、上に挙げたとおりです。

辞める前にやった人の順番

後悔が小さかった人の順番は、だいたい共通しています。

  1. 体調を整える。判断できる状態に戻す
  2. 家計を数字にする。「決めなくてよい月数」を出す
  3. 自分の経験を、外の言葉に置き換える
  4. 外に出た人に2〜3人会って、実際の順番を聞く
  5. 転職・独立・在職のまま変える、の3つを同じ表で比べる
  6. 退路(経験者採用など)の有無を確認する
  7. 決める。時期を選ぶ

4がいちばん飛ばされます。 調べ物で代替できないので時間がかかるのですが、ここを飛ばすと「比べずに決めた」型に入りやすくなります。

後悔しないために、辞めない選択も同じ場所に置く

このコミュニティのコンセプトは「辞めても、辞めなくてもいい」です。辞めた人の話だけを集めると、辞めることが前提の場所になってしまいます。それでは判断の材料になりません。

銀行員から町役場を経て、ノーコードでの開発として独立したSHUNさんの話(インタビュー)も、在職のまま働き方を変えた人の話も、同じ場所に置いています。

比べたうえで残ることと、比べずに残ることは、同じ職場にいても別のものです。 前者の人は、残ったあとに担当や役割を自分から動かしにいきます。

判断の順番そのものは公務員を辞めたいと思ったら、決める前に確かめる3つのことにまとめています。

よくある質問5選

質問1転職して後悔する人は多いのですか。

数として断定できる調査を当サイトでは持っていません。これまでに話を聞いた範囲で言えるのは、後悔の大小は転職先の条件よりも決め方に表れる、ということです。

質問2後悔しても公務員に戻れますか。

自治体・府省によっては、退職者を対象とした採用(経験者採用、再採用制度など)があります。名称も条件も所属ごとに違うので、辞める前に募集要項を見ておくと選択肢として残せます。

質問3年収が下がるのは避けられませんか。

職種と業界によります。下がる前提で家計を先に組んでおくと、条件だけで焦って決めることが減ります。賞与と退職金の有無まで含めて、手取りで比べてください。

質問4転職エージェントに任せてはいけませんか。

求人の量を知るには有効です。ただし、決めるのは自分に残してください。情報は複数から取り、最後の判断だけは預けない形にすると後悔が小さくなります。

質問5辞めてから「やっぱり違った」と思ったら、どうすればいいですか。

早い段階で認めて、次の手を決めるほうが傷は浅く済みます。生活費の残り月数を確認して、動ける期間のうちに方向を変えてください。

榊原立城(さかきばら もとき)元公立中学校 教員(16年)/現キャリアコーチ

コラムは主宰が内容を確認したうえで公開しています。制度や法令に触れる記述は、公開時点の条文と所属の規程を確認したうえで書いています。